他の膝痛との違いを足の専門家が徹底解説
「走り始めは何ともないのに、数km走ると膝の外側がズキズキ痛くなる…」
「階段を降りる時だけ膝の外側が痛い」
「少し休むと痛みは引くのに、運動を再開するとまた痛くなる」
もし、このような症状があるなら、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)かもしれません。
しかし、膝が痛いからといって、すべてが腸脛靭帯炎ではありません。
実際には、膝周囲には多くの組織があり、痛む場所が数cm違うだけで原因も治療法も大きく変わります。
「湿布を貼って様子を見ていた。」
「ストレッチだけ続けている。」
「整形外科では安静と言われたけど、なかなか治らない。」
そんな方の多くは、本当の原因が見つかっていない可能性があります。
●ランニング中に膝の外側が痛くなる
●下り坂だけ痛い
●階段を降りるのがつらい
●長距離を走ると必ず痛くなる
●痛む場所を指一本で示せる
●湿布やストレッチでは改善しない
●休むと治るが、走るとまた痛い
これに3つ以上当てはまる方は、腸脛靭帯炎の可能性があります。
では、腸脛靭帯炎ってどんなもの?
腸脛靭帯炎は、太ももの外側を走る腸脛靭帯が、膝の外側にある骨(大腿骨外側上顆)と何度もこすれることで炎症を起こすスポーツ障害です。
特に
ランニング
マラソン
トレイルランニング
サッカー
バスケットボール
自転車
など、膝の曲げ伸ばしを繰り返すスポーツで多く発症します。
そのため「ランナー膝」とも呼ばれています。
腸脛靭帯炎の特徴
この疾患には非常に特徴的な症状があります。
膝の外側だけが痛い
痛みは膝のお皿ではありません。
膝の外側の少し出っ張った骨の周囲に集中します。
指一本で痛い場所を示せるくらい限定されることが多いです。
運動している途中から痛くなる
最初は違和感程度。
しかし距離や時間が増えるにつれて痛みが強くなります。
やがて「あと500mだけ走ろう」と思っても、一歩踏み出すたびにズキッ!
最後は歩くだけでも痛くなります。
休むと楽になる
炎症なので、休めば痛みは軽減します。
しかし原因が改善されていないため、再び運動すると同じ場所が痛みます。
これを何ヶ月も繰り返している方は非常に多いのです。
ほかの膝疾患との違いは
鵞足炎
痛む場所は膝の内側です。
階段やランニングで痛みますが、
触ると膝の内側の骨の少し下が痛みます。
腸脛靭帯炎⇒痛むのは膝の外側。
膝の曲げ伸ばしでズキッと痛みます。
つまり、内側なら鵞足炎、外側なら腸脛靭帯炎という違いがあります。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝蓋腱炎では膝のお皿のすぐ下が痛みます。
ジャンプ
ダッシュ
着地
この動きで強く痛みます。
一方、腸脛靭帯炎では、お皿はほとんど痛くありません。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は
朝の動き始め
長時間歩行
正座
加齢
による痛みが多く見られます。
また、レントゲンで関節の変形が確認されることもあります。
腸脛靭帯炎は比較的若い年代やスポーツをしている方にも多く、骨ではなく軟部組織の炎症です。
半月板損傷
半月板損傷では
引っ掛かる感じ
膝が伸びない
曲げられない
ロッキング
などが起こります。
腸脛靭帯炎では、このような引っ掛かりはほとんどありません。
靭帯損傷
前十字靭帯や内側側副靭帯などの損傷では
転倒
接触
ジャンプ着地
など明らかな受傷機転があります。受傷直後から腫れることも多く、不安定感を伴います。
一方、腸脛靭帯炎は徐々に痛みが出てくることが特徴です。
なぜ腸脛靭帯炎になるの
多くの方は
「走りすぎたから」
「練習量が増えたから」
と思っています。
もちろんそれも一因です。
しかし、本当の原因はそれだけではありません。
当院では、足の使い方や歩き方・走り方のクセに注目しています。
特に多いのが、
過剰回内(オーバープロネーション)
股関節の安定性低下
お尻の筋力低下
骨盤の傾き
足首の可動域不足
アブダクトリーツイスト(蹴り出し時のねじれ動作)
これらがあると、膝の外側に繰り返し負担が集中し、腸脛靭帯へストレスが蓄積します。
つまり、膝だけを治療しても、足元や股関節の問題が残っていれば再発しやすいのです。

