階段を降りるたびに膝の内側がズキッ…
「階段を降りる時だけ膝の内側が痛い…」
「ランニングを始めてから膝の内側がジワジワ痛くなってきた…」
「レントゲンでは異常なしと言われたのに痛みが治らない…」
もし、このような症状に心当たりがあるなら、その痛みは鵞足炎(がそくえん)かもしれません。
膝が痛いと、多くの方は「変形性膝関節症かな?」「半月板を痛めたのかな?」と思ってしまいます。
しかし、膝の内側の痛みは原因が一つではありません。
実は、鵞足炎は他の膝の痛みとは痛む場所や痛み方に特徴があり、原因を正しく見極めなければ、なかなか改善しない疾患です。
鵞足炎とは?
鵞足(がそく)とは、太ももの内側から伸びる3つの筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)が、すねの骨の内側に付着する部分を指します。
その形がガチョウの足に似ていることから「鵞足」と呼ばれています。
この部分には筋肉や腱が骨と擦れないようにする滑液包(かつえきほう)というクッションがあります。
走る・歩く・ジャンプ・階段昇降などを繰り返すことで、この部分に過剰な摩擦や負担が加わると炎症が起こり、膝の内側に痛みが現れます。
こんな症状ありませんか?
●階段を降りる時に膝の内側が痛い
●椅子から立ち上がる瞬間が痛い
●ランニング中より走り終わってから痛くなる
●長時間歩くと膝の内側がジワジワ痛くなる
●膝のお皿ではなく、その少し下の内側を押すと痛い
●朝より夕方になると痛みが強くなる
●安静にすると少し楽になる
このような症状は鵞足炎でよくみられます。特に膝関節の内側から5〜7cmほど下を押すと強い痛みが出ることが大きな特徴です。
鵞足炎とほかの膝痛との違いは?
膝の内側が痛いからといって、すべて鵞足炎ではありません。
変形性膝関節症との違い
変形性膝関節症の場合は、
膝全体が痛い
朝の動き始めが痛い
正座や深く曲げるのがつらい
レントゲンで変形が確認されることが多い
対して、鵞足炎は
膝関節ではなく少し下が痛い
押すとピンポイントで痛い
階段や運動で悪化しやすい
レントゲンでは異常が見つからないことも多い
という違いがあります。
半月板損傷との違い
半月板損傷の場合は、
膝の奥が痛い
引っかかる感じがある
曲げ伸ばしでロックすることがある
急な方向転換やスポーツ中に発症することが多い
一方、鵞足炎は
引っかかり感が少ない
徐々に痛みが強くなる
押す場所がはっきりしている
という違いがあります。
内側側副靱帯(MCL)損傷との違い
内側側副靱帯損傷の場合は、
膝をひねった直後から痛い
腫れが出やすい
横方向への不安定感がある
しかし鵞足炎は
急激なケガではなく使い過ぎで起こる
徐々に痛みが出る
腫れは少ないことが多い
という特徴があります。
こうやって並べていくと、特徴がよく分かりませんか?
本当の原因は「膝」だけではありません
鵞足炎の原因は膝だけにあるとは考えていません。
実際には
足の過剰回内(オーバープロネーション)
股関節の動きの低下
お尻の筋力低下
ハムストリングスの柔軟性低下
足首の硬さ
歩き方や走り方のクセ
これらが重なり、鵞足部へ繰り返し負担が集中することで炎症が起こるケースが非常に多くみられます。
「膝が悪い」のではなく、「膝に負担が集まる身体の使い方」が問題かもしれません。
スポーツをしている方は特に注意
鵞足炎はランニング競技、サッカー、バスケットボール、テニス、水泳(平泳ぎ)、登山など、膝を繰り返し使うスポーツで多く発症します。
「少し痛いけど走れるから大丈夫」
そう思って練習を続けてしまうと、炎症が慢性化し、日常生活でも痛みが出るようになることがあります。
鵞足炎だけではないですが、早め早めのケアがあなたの足を守ります。

