プロフィール


経歴
3人兄弟の次男として神戸で育ち、中学高校と柔道をしていました。大学は北海道で畜産学を専攻し、夏休みの1か月間にわたる酪農家での実習などで牛に関わり、研究室ではアオカビの酵素の研究を行うなどそれまでの生活とはかけ離れた4年間を送っていました。
大学卒業後、牛の繁殖・改良に携わる仕事をしている公益法人に就職し、牛の繁殖関連の仕事をしていました。車で数百キロ離れた場所に行くことも少なくなく、一日中運転をしているということも度々ありました。
月の半分を車で飛び回っていましたが、40歳を超えたあたりから腰痛が出はじめていました。
あまりの痛みに夜眠ることもできないこともあるほどでした。

この時、人に勧められて行った整骨院でその技術に感銘を受け、一念発起しそれまで勤めていた会社を辞め、柔道整復師、鍼灸師になることを決意して専門学校に入学しました。

が・・・なんと入学式の翌日、背中に激痛を覚えて救急病院に駆け込む事態が起きました。

最初はぎっくり腰といわれましたが、実は化膿性脊柱炎という、脊椎の中に膿がたまってしまう病気で3か月の絶対安静を言い渡されました。
しかも、最悪、半身不随になるかもしれないとも言われ、目の前が真っ暗になったことを、今でも思い出せます。

その時、下の子どもは生後1か月で、妻も私の転職に合わせて仕事を辞めたばかりでした。

「まさか自分が」という言葉しか頭の中に浮かばず、最初の数週間はどうしていいかもわからない状況でした。これまでいろいろな怪我や病気をしても、自分が障害を持つかもしれない、などと考えたことなどなかったからです。

その時、初めてといっていいほどに、心から健康な体のありがたみを感じました。

結局、幸運なことに経過は順調で、後遺症なども残らずにすんだので、今思えば、この経験は今の仕事の大きな礎になったと思えます。

そして1年の休学を経て復帰したのですが、なにぶん20年ぶりの学校での勉強であったため、思った以上の苦労がありました。卒業後、他院での勤務を経て、現在に至ります。

施術に対する思い
開業するために今まで様々な技術を紹介する教材や、セミナーなどで学びました。しかし実際には、それまでの技術では対応できない症状や、思うような改善結果に至らないケースに多く遭遇してきました。

「施術後は調子が良くルンルンで帰ったんだけど・・・」
「当日と翌日まではよかったけどそのあとは・・・」
と言われることがあります。その逆に
「だんだん調子が良くなってきている。」
「痛くなくなった。」
と言われることもあります。

その違いは何なのでしょうか。

ある時ふと思いました。
明らかに改善していくものは原因がそこにあり、その部分に症状が出ているもので、改善していかないものはそもそも本当の原因が違うのではないかということです。

たとえば捻挫のように足首を捻ったためそこが痛くなったものは、そこを治療すればよくなります。しかし、骨盤の歪みで腰が痛い人は、骨盤の歪みが原因なのだから骨盤の歪みを取れば腰痛は改善していくはずです。

でも実際はそうではないのです。

骨盤の歪みが直接の原因ですが、そもそも「骨盤が歪むのは何故か」が本当の原因なのです。足を組む、ぺったんこ座りをする、女の子すわりをするなどの日常の癖そのものが骨盤を歪めていきます。その癖をまずやめることから始めないと幾ら骨盤の歪みをとっても、すぐにまた歪んで痛くなってきます。ぶり返す症状は、結局、本当の原因が取り除けていないことで起こっているのです。
脊柱管狭窄症も同じです。
手術を受けて狭窄部位が広げられたのであれば、症状がよくなるのは当然なのです。が、やっぱり症状が出てしまう・・・それは何故なのか?
本当の原因が別のところにあるからなのです。

➀姿勢が悪い、負担のかかる作業などをしているなどの原因

➁脊柱管狭窄症(脊柱管が狭くなる)

➂違和感や軽度の痛みを避けるため、余計に変な姿勢をしてしまう

➃身体に負担をかける

➄だんだんと強い痛みやしびれが出る

そうやって段階を踏んで症状が出ているはずなのに、どうしても➁→➄の部分しか注目されず、ここだけにアプローチする治療だけをしがちです。
そうすると、一瞬はよくなったように思えても、痛みが出る原因が手当てされていないために、また痛みや症状がぶり返すということを繰り返してしまいがちになるのです。

自分が脊柱炎になった時のことも思い返して、症状の改善には、ただ単に手技などに頼ってその瞬間を楽にするというだけではなく、繰り返し症状が起こらないような体づくり、日常の生活習慣の改善などの、「根本に訴えること」が同時に必須であることに気付き、セルフケアや身体の使い方の指導にも力を入れるようになりました。