歩行改善を勧める理由

歩行改善で狭窄症の症状を改善

腰部脊柱管狭窄症の人は、安静にしている時にはあまり症状はなくても、立ったり、歩き出すと太ももからふくらはぎ、すねにかけてのしびれや痛みが出て、長い距離を続けて歩くことができなくなってしまいます。
もっとも特徴的な症状は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。

間欠性跛行とは?

間欠性跛行(かんけつせいはこう)とは、症状を示す医学用語です。
歩き始めるとだんだんしびれや痛みが出て辛くなるけれど、少し休むと痛みが軽くなったりなくなったりして楽になるというものです。
これは何度も繰り返します。
こういう症状を示す人は、背筋を伸ばして立ったり歩いたりすると歩けなくなり、少し前かがみになって休んだり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。また、自転車には痛みがなく快適に乗れたりします。
この、間欠性跛行が起こる直接的な原因は、脊柱管が狭くなり、神経根や脊髄の末端に当たる馬尾が圧迫されるためです。その結果、神経の血流障害が生じて酸素や栄養が滞り神経の働きが低下し、やがて痛みやしびれが表れて足が動かせなくなります。

良い姿勢 ≠ 背筋をピーン

ようは、背骨の中の狭くなった場所で神経が押されて痛みやしびれを感じるため、その場所が広がれば楽になります。
そのため、病院では「楽になるための姿勢や生活習慣」を指導されます。

一言でいうと 前かがみになって歩きましょう ということです。

背中を丸めたり、前かがみになることで物理的に脊柱管が広がり、神経の圧迫が緩むため痛みやしびれが和らいで歩きやすくなるためです。

つまり、間欠性跛行があっても姿勢や歩行の仕方を変えれば、この間欠性跛行の苦痛を和らげて一度に歩ける距離を延ばすことができます。
とはいえ、前かがみや背中を丸める姿勢が癖になるのは長期的に考えると、腰痛を悪化させたり、他の関節痛を招いたりする原因になるので好ましくはありません。
特に、手押し車(シルバーカー)は寄りかかって歩けて楽に思えるのと比較的安価で手に入りやすいためお使いになられている方も多いのですが、足がどんどん悪くなる(=歩けなくなる)危険性がありますので、できれば避けていただきたいもののうちの一つになります。

正しい姿勢

ではどうすればいいか。
基本的には背骨本来のS字カーブ(ナチュラルライン)を意識した正しい姿勢で立ち、その痛くならないニュートラルポジション(それ以上反らすと痛くなる上体の傾き)を保ちながら歩くことが必要なのです。
正しい姿勢・正しい立ち方・正しい歩き方というものを意識したことはありますか?

多分、ほとんどの方が意識されたことはないと思います。
「良い姿勢をしてください」
とお伝えすると、ほとんどの方が胸を張ってまっすぐに立とうとされます。
でもその姿勢は、実はまっすぐではないのです。
まっすぐになることを意識しすぎて、背骨は必要以上に反り返ります。そうすると背を反らすために胸を張る必要がありますが、これは頭を後ろに倒すことにつながります。そのままでは倒れそうになるため、頭を前に突き出しますし、足元に目を向けると前側に傾くことになります(上の図の右側)。
なので、自分では正しくまっすぐ立てていると思われていても、実はとても前傾姿勢になってしまっています。

正しそうでいて、実はダメな立ち方・歩き方

1) 胸をそって立っている
2) つま先に重心をのせて立っている
3) 前のめりに立っている
4) 足の指をしっかり使って歩く
5) 大股で歩く
6) 地面をしっかり蹴って歩く
7) 足を美しく伸ばして歩く

上のリストを読んで、あれあれ?と思った方が多いのでは?
全て、美しくて正しい立ち方や歩き方の説明だと思っていませんでしたか?
でも実は、これは間違っています。
そして、脊柱管狭窄症の方の症状を悪化させる歩き方や立ち方になります。

当院で『正しい姿勢』を指導すると、ほとんどの方が「今の自分の姿勢は、猫背でお尻を突き出した、とても変な恰好で立っている」というふうに感じられるそうです。でも鏡を見ると別に変な恰好で立っていない。お尻も顎も突き出さずまっすぐに立っている。「とても変な気分」になるということです。
それは、いつもの姿勢がいかに正しくないかの表れなのです。
また、その姿勢を保ちながら歩くのは、最初は少しコツがいります。
もちろん独学でもその方法を会得することは可能です。
とはいえ、普段無意識で行っている行動を変えるのはそれほど簡単なことではありません。
ですから、専門家の目で見て、改善までの最短ルートを共に目指すのがおすすめです。

歩行改善の指導とは歩行指導 当院の歩行指導は、ネイティブウォーキング協会認定のものです。 現状の改善のための「整体施術」と、その改善状態を維持して再発...