アキレス腱炎とストレッチの関係とは?
アキレス腱のケアといえば、多くの方がまず思い浮かべるのが「ストレッチ」ではないでしょうか。
特にアキレス腱断裂の予防として、日頃から伸ばしておくことは重要とされています。
しかし、すでにアキレス腱炎を発症してしまった場合、治療の一環としてのストレッチは必ずしも効果的とは限りません。
これは個人差が大きいため絶対とは言えませんが、治ると信じて無理にストレッチを続けてしまうと、治療のタイミングを逃す恐れもあります。
アキレス腱炎患者がストレッチで完治した例は?
アキレス腱炎には、「安静にするだけで自然に治るタイプ」と、「安静を続けても治りにくい難治性タイプ」が存在します。
ストレッチで改善したと感じる方は、もしかすると前者の自然治癒型のアキレス腱炎だった可能性が高いです。
つまり、安静にしていれば自然と痛みが引くケースですね。
ストレッチは適切な範囲で行えば悪化させることは少なく、ケアの一つとして希望を持って取り組める面もあります。
ただし、効果を実感できないまま続けるのは時間の無駄になることも。
痛みを我慢しながら無理にストレッチを続けるかどうかは、ご自身の判断が必要です。
アキレス腱炎は断裂に直結しない?
よく「放置するとアキレス腱断裂になるのでは」と心配される方がいますが、基本的にはアキレス腱炎がそのまま断裂に繋がることは稀です。
アキレス腱炎の痛みは波があります。
たとえば、朝起きた時や長時間座った後の一歩目が痛む、しばらく痛みが治まっても再発を繰り返すこともよくあります。
ストレッチ、マッサージ、湿布、テーピング、インソールなどを組み合わせながら痛みをごまかしつつ、自然治癒を待つケースも多いです。
この方法でうまく付き合えている方も少なくありません。
アスリートには『待つ』時間はもったいない!
安静にして自然に治るまで待つのは、競技者や運動を日常的に行う方にとっては辛いものです。
「いつ治るか分からない」状況に苛立ちを感じることもあるでしょう。
アキレス腱炎におすすめしたいセルフメンテナンス
アイシングは万能ではありませんが、アキレス腱に熱感や腫れがある場合は特に効果が期待できます。
左右のアキレス腱に温度差を感じる方は、非接触型の体温計などで測ると0.5度ほど違うこともあり、そうしたケースでは冷却が効きやすいです。
熱感がなくても試す価値はあります。
「熱のない場所を冷やしても害は少ない」というイメージで、正しい方法で行えば安全です。
ただし、凍傷のリスクもあるため時間や頻度は守り、必ず自己責任で行ってください。
詳しいアイシングの方法はこちらをご覧ください。
アキレス腱炎|アイシングのすすめ
湿布は必要?
痛みのケアで湿布を常用する方も多いですが、正直なところ湿布だけで治るわけではありません。
湿布が効いたように感じる人は、もしかすると自然に治ったケースがほとんどでしょう。
素直なアキレス腱炎の場合、安静とアイシングの組み合わせが最も効果的なセルフケアです。
もちろん、ストレッチを並行して行っても問題ありません。
●アキレス腱炎は安静が基本
●ストレッチは悪化させない範囲で行い、治療の代わりにはならないことを理解する
●熱感や腫れがあればアイシングを積極的に取り入れる
●湿布だけに頼らず、根本的な回復を目指すことが重要
もし痛みが長引く場合や自己ケアで改善しない場合は、アキレス腱炎に特化した専門の鍼灸院での施術を検討してみてください。